解決事例

<診断された子の思い>

大学1年で、内容が聞き取れず、思わず、ペンケースに入っていたカッターを取り出して、「静かにして!」と叫び、停学処分になった女子学生がいました。停学がとかれても、騒がしい授業になると、保健室に逃げ込こみ、そこでも、大声で叫んでいたそうです。 彼女は高校3年の時、ASDと診断されました。彼女は、「大学院に行って、発達障碍の人を助けたい」と言いました。ご存じだとは思いますが、彼らは同時に2つのことが出来ません。「聞く」「見る」「書く」を繰り返し行う授業は疲れ、聞き逃さないようにと必死だったのだと思います。私との面接はリラクゼーション法を取り入れました。4回ほど過ぎた頃には、お祖母さんと料理をした話などして、落ち着いた優しさのある女性だなと感じました。そして、それをフィードバックしました。5回目の面接の時です。「人は急変する」「私は論理数学の世界でなければ理解されないのよ!」と叫び、震えていました。交信していたら、急にブロックされたのだそうです。そこで、私は気づきました。彼女は理数系の授業中では話が弾み、仲間になり、認められていると感じていたのでしょう。院入学に固執している彼女に、「院はもっと大変なの」「大丈夫よ。貴女はもう十分優しくて素敵な女性よ」と言いました。彼女は「嬉しいんだか悲しいんだか分からない」と言って、大粒の涙を流しました。その後、けじめだと受験はしましたが、落ちて、障害者枠のIT企業に無事就職したとの報告がありました。その他にも、自信なさげに相談に来た男子生徒で、面接の中で、研究計画が話題になり、「緻密で素晴らしい」と褒めたら、大粒の涙を流し、「小5の時、寮生活をした。また、あの時の自分に戻りたくない」と言いました。「大丈夫。もう、あの時の貴方には絶対にならないから」。その後、彼は先生方も驚くような研究計画書を提出したそうです。まだまだ、似たような事例はたくさんあります。発達障碍と診断されると傷つきます。でも「内緒にする」のではなくて、どこかで、困っていたら「大丈夫よ」って言ってあげてください。乗り越えた時、それが自信に変わるのだら。

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